こんにちは、サンライズweb担当です。
コネクタとかFFCに少し詳しいです。
さて、先日にケーブルをFFCに置き換えるのが難しい話
をしました。
- FFCに変える明確な目的が無いとなかなか進まない
- FFCコネクタとFFCケーブルの選び方
- 品質保証
このあたりの基本的な話をしましたが、まあ設計にはいろいろ難しさがありますねという話でした。
今回は、FFCケーブルのピッチについてお話をします。
1mmピッチ以上と0.5mmピッチのFFCケーブルのめっきのお話だったりします。
記事で解説していきます。
FFCケーブルのピッチのお話
1.25mmピッチ、1mmピッチ、0.5mmピッチ
結論は下記です。
- その①1.25mmピッチはすずめっきです。
- その②1.0mmピッチはすずめっきです。
- その③0.5mmピッチは金めっきが安心です
順番に解説します。
きっかけはRoHS規制です。
RoHS規制前までは、FFCといえば、すずめっきが主流でした。
金めっきは贅沢です。使用環境が厳しい場合などにつかわれることはありましたが、少しでも安く製品を仕上げたいメーカーはすずめっきを好んで選んでいました。
それが2000年代初頭にRoHS指令が発令されると、0.5mmピッチのすずめっきのFFCは危ないということになり、金めっきに変更される流れになりました。
具体例に説明します。
すずめっきとウイスカ問題
すずは、金属のもともと持っている性質から、時間が経つとウイスカと呼ばれるヒゲのようなものが生えてくることが知られていました。
このヒゲが悪さをします。
となりのピンや電極にウイスカと呼ばれるヒゲが接触すると、ショートや不具合が 発生します。
ウイスカの発生を抑制するために、はんだめっき(すずに鉛を混ぜためっき)を使用していましたが、 RoHS指令の使用制限6物質に鉛が含まれていたため、はんだめっきを使うことができなくなってしまいました。
ウイスカとの戦い
金めっきに変えてコストが上がるのを嫌がるメーカーの要望を受けて、 FFCメーカー、コネクタメーカーは、すずめっきでもウイスカが発生しない、発生しにくい製品を開発しますが、なかなか難しかったのです。
メーカーが当時出した答えは下記のとおり。
- ウイスカが1mm以上に伸びることは、まずありえない。1.0mmピッチ以上はすずめっきでOK
- 0.5mmピッチはもしかしたらあぶないかも、金めっきに変えてください。
こうして、1mmピッチはすずめっき、0.5mmピッチは金めっきが安心だねとなりました。 ウイスカのリスクを承知で0.5mmのすずめっきを使い続けるメーカーもありましたが、 FFCメーカー、コネクタメーカーとよく協議して納得の上で使っていたようです。
ウイスカとの戦い再び。。。。
2020年1月、調べながら記事を書いていますが、0.5mmピッチでもスライドロックタイプと NON-ZIFタイプのFFCコネクタにはすずめっきの製品があるようです。 またFFCメーカーではウイスカ対策をした0.5mmピッチのすずめっきFFCを用意しているようです。
すずめっきの厚さを薄くしてウイスカーの発生を抑制しているようです。
一方で0.5mmピッチのすずめっきコネクタを一つも販売していないコネクタメーカーもありました。
メーカーごとに考え方があるのでしょうね。
今回はこの辺にしたいと思います。それではまた