シロッコファン 風量

こんにちは、サンライズweb担当です。

オリジナル製品の設計・開発を行っています。当社は送風機・ファンを使った製品が得意です。ファンには大きく分けて3種類の形状があります。今回はシロッコファンと軸流ファンについて、風量、風圧(静圧)の違いについてお話ししたいと思います。

遠心ファンは羽根車が回転することで遠心方向つまり外側に風がながれるファンです。軸流ファンは羽根車が回転することで羽根の軸方向に風が流れます。
軸流ファンは扇風機のプロペラをイメージして頂ければ良いと思います。

シロッコファンと軸流ファンの特長

当社ではシロッコファンと軸流ファンの違いについて下記のように説明しています。本記事では風量と静圧に焦点をあててお話ししたいと思います。

項目 送風機の種類
送風機の種類は大きく分けると3タイプに分ける事ができます。
軸流送風機(プロベラファン)
1:吸気流れと排気流が同一方向
2:風量が多い
3:取付形態が比較的コンパクト
4:機器内に空気流を作り冷却する方法に適する
2 遠心送風機(シロッコファン)
1:吸入流と吐出流が垂直方向
2:静圧が高く、風量も比較的多い
3:取付形態が大きくなる
4:静圧が高いため、局部冷却に適する
3 貫流送風機(クロスフローファン)
1:吸入流と吐出流がL方向
2:軸方向の長さを任意にとれる
3:風速分布が一様で遠くまで達する
4:狭い隙間を使った冷却に適する

今回比べてみる軸流ファンとシロッコファン

今回は最大風量が大体同じくらいの軸流ファンとシロッコファンを比べてみます。ローヤル電機製軸流ファンT175とシロッコファンBF-13505を比べます。
最大風量は凡そ10㎥/minです。50Hzの性能を比べてみます。

メーカー製のシロッコファンは余り種類が多くありません、基本的に機器にあわせたカスタム設計になります。そのため、最大風量がぴったり同じものが有りませんでしたが、軸流ファンと比較してみると、最大風量は同じくらい(1.15倍)に対して最大静圧は約2倍(2.11倍)になっています。
最大風量が同じくらいであれば、必ずシロッコファンの方が最大静圧が高いです。

それでは、最大風量が出ている状態と最大静圧がでている状態とはどのような状態でしょうか、記事で説明します。

風量-静圧特性表

メーカーカタログより、軸流ファンとシロッコファンの特性は下記のようになっています。風量の目盛りはそろっていますが、静圧の目盛りがそろっていませんね。今回比較が目的なので揃えてみます。

静圧の目盛りを揃えてみると、明らかに特性が違うのが分かりますね。

最大風量

それでは、最大風量について説明します。特性表でいう最大静圧とは遮るもの、抵抗になるものが何も無い状態でファンを回したときの風量になります。

最大風量は静圧が0の所なのでグラフで一番風量の多いところになります。
ピンクの丸をつけたところです。

最大静圧

それでは次は最大静圧の状態です。箱を塞いで空気が流れない(これ以上入らない)状態が最大静圧です。空気が流れない状態なので風量は0になります。

最大静圧は風量が0の所なのでグラフで一番左側の静圧が高いところになります。ピンクの丸をつけたところです。

流路に抵抗がある場合

最大風量と最大静圧の説明をしましたが、通常ファンを使う場合、最大静圧(風が全く流れない状態)で使うことはありません、ファンの意味が無いので。

扇風機のように何も抵抗のないところで使うか、機器内部の抵抗がある状態で使用されることになります。空気清浄機の場合は外部から空気を取り入れフィルターで粉塵などを除去して綺麗な空気を吐き出します。

性能の高い空気清浄機であれば異物除去能力の高いフィルターが使われます。
一般的に能力の高いフィルターは圧力損失が大きい傾向があるので、力のあるファンが必要になります。

ファンは、スイで使います。ハキで使うとフィルター前室にチャンバーを設ける必要がありチャンバーに全圧状態を作り出すためファンの効率が落ちます。

薄衣ペラペラの殆ど圧力損失が無いフィルターであればシロッコファンでも軸流ファンでも同じように勢いよく空気が流れることはイメージできると思います。

それでは、HEPAフィルターのように圧力損失が大きなフィルターの場合はどうなるでしょうか。

流路にHEPAフィルターを入れた場合

HEPAフィルターは様々なメーカーが販売しています。
上の図のフィルターをHEPAフィルターにすると風量がどうなるか計算してみます。HEPAフィルターは日本バイリーン株式会社製のHEPA<標準型>VNタイプにします。大きさは一番小さいものにしましょう。
VN-100-37 捕集率99.97%at0.3μm 305×305×150 定格風量3.7㎥/min 0.84m/s

カタログ値で計算すると305×305×風速0.84で4.6㎥になり定格風量3.7㎥になりません、注記にあるとおり、風速はフィルタ枠を除く面風速で算出とあります。
フィルターの実効面積を275mm×275mmとして計算すると0.0756㎡×0.84m/sec×60で3.81㎥/minになります。大体いいですね。

上図の箱にこのフィルターを入れるので、流路のフィルター面積も同じになります。シロッコファンの性能特性より、245Paの時の風量は凡そ7㎥/minです。
7㎥/minを面積で割り風速を求め、風速を秒に換算すると1.54m/secになり、フィルターの性能と合いません。
フィルターの風速と圧力損失の関係グラフとシロッコファンの風量-静圧特性のグラフが交差するところを求めていきます。

350paで風速1.2mとなり、フィルターのグラフを延長するとおおよそ一致します。

この組み合わせではフィルターの風速が1.2m/sec、風量は5.5㎥/minとなります。圧力損失は350Paです。

シロッコファンを軸流ファンに取り替えてみると、軸流ファンT175の風量-静圧特性より、200Paで風量がほぼ0なので殆ど風が出ないことが分かり、使えないことが分かります。

MEMO
HEPAフィルタ (High Efficiency Particulate Air Filter) とは、空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄空気にする目的で使用するエアフィルタの一種である。空気清浄機やクリーンルームのメインフィルタとして用いられる。

JIS Z 8122 によって、「定格風量で粒径が0.3 µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されている。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』