シロッコファン 羽根 風量 計算 設計のお話

こんにちは、サンライズweb担当です。

さて、以前はシロッコファンの設計についてお話しましたが、今回はファンの風量Q(㎥/min)、静圧Ps(Pa)についてお話をします。送風機の仕事率や軸入力の計算からモーターの選び方まで、お伝えできれば良いと思います。

当社のブログに来て頂ける方は、ファン、シロッコファン、羽根、羽根枚数、風量、計算、設計等のキーワードで検索を掛けられる方が多いようです。

シロッコファンは静圧が高く、風量も多くとれます。シロッコファン(羽根)は羽根の枚数、大きさ、ファンの幅、ファン自体の大きさを変えることにより狙った特性のファンが作りやすく柔軟なカスタム対応が可能です。

当社が扱う六合製作所のシロッコファンは、標準品のバリエーションが豊富で材質もアルミ、鉄、ステンレスから特殊材料まで広く、軸径やボスの穴数もカスタム対応いただけるため、大変助かっています。羽根一枚から設計するよりも標準のシロッコファンをベースに選定・カスタムする方が良いように思われます。

記事で解説しています。

風量計画

ファンを設計・選定する必要があると言うことは、何か装置や設備で風を送る必要が出てきたからですね。お客さんや、上司から指示を受けてスタートです。

空気清浄機や空気殺菌機などは快適な室内環境を作り出すために必要な装置です。換気扇は居室・工場など人や機械のある場所には必要な設備です。

ではどれだけの風を発生されれば良いでしょうか。必要換気量は、部屋の広さ、人数(CO2発生量)、火気を用いる場合は排ガス発生量、いろいろな条件により各種計算方法があります。

1人辺当たりの専有面積による方法だと下記の計算式が一般的です。webで検索しても出てきますし、弊社でも使っています。
「20」は20(㎥/h・人)の意味で、成人男子が静かに座っているときのCO2排出量に基づいた必要換気量です。

1人当りの専有面積による方法

必要換気量(㎥/h)=20×居室の床面積(㎡)/(1人当たりの専有面積㎡)

33㎡(10坪)程度の事務室だと5~6人くらいが余裕を持って働けますね。
6人だとすると、
20×33/33/6=120㎥/h

120㎥/h / 60sec = 2㎥/min ですか、以外と小さいですね、□120×25t程度の小さい軸流ファンの最大風量と同じくらいです。

実際には、ダクトの有無(ダクトの摩擦損失)、空気清浄機であればフィルターによる圧力損失、換気扇の取付位置などにより、必要な送風機の能力は変わってきますが、まずはどれだけの風量が必要か、静圧はどれくらいかを決めます。風量と静圧が決まらないとファンは設計・選定できません。

ファンの羽根枚数・設計について

ファンの羽根枚数が多くなるとどうなるのか、簡単にいえば羽根枚数が多くなると風量は多くなり、音は静かになります。しかし、同じ回転数でまわすのに必要なトルクが増えます。羽根枚数が小さいラジアルファン(5枚~6枚)はなんというか、ばたばたするような風になります。
風量は変わりますが、影響はそれほど大きくありません、風量Q(㎥/min)、静圧Ps(Pa)が大きく影響を受けるのは羽根の直径、回転数、羽根の巾(長さ)になります。

直径がn倍になると風量は3乗に比例、静圧は2乗に比例、仕事率は5乗に比例します。

回転数がn倍になると、風量はn倍、静圧は2乗に比例、仕事率は3乗に比例します。

羽根の巾(長さ)がn倍になると、風量はn倍、静圧はかわらず、仕事率は倍になります。

注意
設計・試作が終わった段階でやっぱり風量が全然足りないから羽根を大きくしようとすると、予想外に大きなモーターが必要になることがあります。最初に風量をきめるのが大事です。
送風機の直径・回転数・羽根の長さ(巾)・送風機の仕事率

送風機の仕事率
 L=0.1634*P*Q  
=P(Kg/m2)*Q(m3/min)*9.8/60
=0.163Kgf・m/sec

   J/sec=W
   1Kgf・m=9.8J
   60sec=1min
Kgf・m/sec=9.8W

Q1=Q0 (N1/N0)(l1/l0)(D1/D0)3

Ps1=Ps0(N1/N0)2(D1/D0)2

L1=L0(N1/N0)3(l1/l0)(D1/D0)5)

L=仕事率 W
P=静圧 mmAq
Q=風量 m3/min
N=回転数  rpm
L=長さ   mm
D=直径  mm

シロッコファンの回転数

シロッコファン大きさが決まり、さて、何回転で回そうかということになりますが、ACの場合モータの回転数は決まっています。

50Hz駆動の場合、無負荷回転数は、2Pで3000rpm、4Pで1500rpm
60Hz駆動の場合、無負荷回転数は、2Pで3600rpm、4Pで1800rpm
(すべりは考慮しない)

シロッコファンは金属でつくります。頑丈なようですが、回転している間には常に空気を掻き出していて応力が掛かっています。軸に掛かるトルクと外周負荷トルクによる捻れもかかります。

したがって、シロッコファンには回転数の上限が決まっています。
φ100程度で羽根巾の小さなファンであれば5000rpmの高速でも回せますが、φ150だと3600rpmがきつくなり、φ180だと羽根巾によっては3000rpmも回せなくなります。

工場の換気装置のような大きなブロワーは、プーリーを使うことが多いようですが、当社が得意とする小型~中型の装置ではモーター直結でなんとか納めるようにしています。その分シロッコファンの設計はもちろん安全率は考慮しますが、ギリギリの性能を狙ったカスタム品を起こすことになります。

ACの場合、日本国内向けの製品だと、50Hzと60Hzそれぞれの使用を想定しなくてはいけません、20%の差は大きいですね、無視できないです。もちろんインバーターを使えばどうにでもなりますが、装置が複雑になり部品点数も増えコストが上がります。

シロッコファンの風量-静圧特性

さて、風量と静圧が大体決まったら適合するモーターを選定または設計することになりますが、改めてシロッコファンの特性をおさらいしておきましょう。