セルスペーサーの取り付け忘れ検査治具の設計

こんにちは、サンライズweb担当です。

オリジナル製品の設計・開発を行っています。当社は送風機・ファンを使った製品が得意ですが、生産治具の設計依頼を受けることがあります。
今回は、急ぎで治具の設計のお仕事です。

プレスをお願いしている協力工場から、部品の取り付け忘れ防止治具の設計依頼を受けました。

板金形状のプレス部品にセルスペーサーを6個圧入していますが、ごく希に取り付け漏れが発生してしまうとのことです。これではマズいということで、プレス工程の後に取り付け漏れが無いことを確認する検査工程を入れることになりました。

MEMO
セルスペーサーとはプレス機を使って穴を開けた金属の板に圧入する部品です。こういった圧入だけで締結できる部品をセルフクリンチングファスナーと呼びます。 セルフクリンチングファスナーには、セルスペーサーの他用途によって多数の種類があります。

セルスペーサーの取り付け忘れ検査治具の設計

今回の治具は製造ラインに検査工程を追加するもので、必要に迫られた中で設計を進めていきます。できるだけ安価に早期に導入できるものであることはもちろんですが、治具として信頼性と、継続生産に耐えられる耐久性がないといけません。また、今回は最終発注者様に工程変更として設備の図面をきっちり書いて承認を頂かなければいけませんでした。

6つのセルスペーサーの内、一つでも付いていなければ、NG品の判定をすれば良いのだから、重さでなんとかならないかなと考えました。

セルスペーサーの重さは0.1g~0.2g位です。3,000円位の精密秤でもカタログスペック上では判別が付きそうでしたが、秤の精度の確認・校正が必要になり、をプレス現場で数字を読んでくださいとはいえませんので、早々にあきらめました。

やはり、圧入後底面から2mm突き出ている部分の有無で判別することにします。6カ所の取付位置ですが、規則性が無く、6カ所ともバラバラでした。単純に6カ所をセンサーで当たる治具を作ってもいいのですが、センサーの無駄遣いですね。できるだけ単純で壊れない、必要最小限の判別ができる治具を設計します。

  • 非検査対象(プレス板金)を置くだけで判別できる。
  • 良品だった場合には、音(ブザー)と光(ランプ)がでるようにする。
  • 購入部品としてのセンサーは使わない、簡単な回路とバネ性を持った端子で作る。