こんにちは、サンライズweb担当です。
Webを通して、わかりやすく説明するサイトを目指しています。
さて、先日お客様からディスクリートケーブルをFFCケーブル接続に変えたいという相談を受けました。
目次
相談の内容
- 試作品ではケーブルで接続したけど、量産時にはFFCケーブル接続にしたい。
- FFCケーブルってどうなの?
- 以前検討したけど、時間が無くって後回しにしてしまった。
限られた時間で新しい部品を選定するのは結構手間です。
目の前の仕事に時間がとられてしまうことって結構ありますよね。
ケーブルをFFCに置き換えるのが難しい話
言うまでも無く、機器の設計には、様々な要素が複雑に絡みます。
気持ちがあっても導入までのハードルが高いとなかなか進みません。
下記が大切。
- FFCケーブル導入までのイメージ
- ディスクリートケーブルをFFCケーブルに変えるための条件は?
- 品質保証/本当に変えて大丈夫?
その①FFCケーブル導入までのイメージ
FFC導入には「2つのポイント」があります。
- 何のためにFFCに変えるのか、一番の目的は何か
- FFCコネクタ、FFCケーブルをどうやって選ぶのか
順番に解説します。
例えば下記です。
- よい例:基板を重ねていくので、どうしても薄いFFCコネクタとFFCケーブルが必要
- 悪い例:競合メーカーがFFCケーブルに変えたからうちも変えたい。
例えば「競合が変えている」という理由だと、漠然としていますよね。
上司や購買部門、製造現場に説明ができません。
かならず、具体的な理由が必須です
次に候補の選び方です。
FFCコネクタ、FFCケーブルをどうやって選ぶのか
- 小さく、薄くしたい → 0.5mmピッチ 高さは2mm程度
- ケーブルコネクタと同じようにつかいたい → 特別な付加機能はいらない(シールド機能等)
- コストをとにかく安くしたい → ストレートタイプのFFCケーブル(耳なし)
例えば上記です。
これで明確な選定基準が決まりました。
つまり「0.5mmピッチで、一般的なFFCケーブル、耳なし」ですね。
あとは選定です。
明確な仕様が決まったら、後は選ぶだけ。
つまり、「どこのメーカーのものどこから購入するか・・・?」と考えて選んでみてください。
Webで探すとか、取引のある購入先に問い合わせるとか、上司や先輩に相談するとか、いろいろあると思います。
その②ケーブルをFFCに変えるための条件は?
- 簡単にFFCケーブルに変えられるケース
- FFCケーブルに変えることが難しいケース
さて、接続に要求される条件で、FFCケーブルに簡単に置き換えられる場合とそうでないケースがあります。
ケーブル接続の場合とくらべながら見ていきましょう。
FFCケーブルに簡単に置き換えられるケース
- 流す電流が、FFCケーブルとFFCコネクタの定格を超えないこと
- ストレートケーブルで、両端のコネクタの信号数が一致している場合
FFCの場合には、1mmピッチで1A/ピン、0.5mmピッチで0.5A/ピンが 一般的な定格になっています。ただし、芯数が20ピンあっても、すべてのピンに定格を流すことはできません、フルピンで流す場合は、0.6掛けか0.7掛け程度に抑える必要があります。
この辺はメーカーと相談になります。
FFCケーブルに変えることが難しいケース
電流が1Aより大きい場合、例えば2Aの場合、同一信号を2分岐、3分岐させる必要があります。
ある程度マージンをみて、分岐させましょう。
また、ケーブルがストレートで無い場合、具体的には片方には10芯のコネクタがついていて 反対側には6芯と4芯のコネクタがついている場合などは、FFCにするのが難しいです。
FFCを裂いて途中で物理的に分岐させることもできますが、品質面、加工の難しさからおすすめできません。
その③品質保証/本当に変えて大丈夫?
ディスクリートケーブルから、FFCケーブルに変えて、仕様的には満足しているFFC、コネクタが入手できたとして、本当に品質は大丈夫でしょうか。
ケーブルの場合、ハーネスを納入したケーブルメーカーが品質保証をしてくれます。
FFCとコネクタはメーカーが別ですから、どこから購入しても組み付けるのは自社になります。
問題がおきたときに
- FFCの不良なのか
- コネクタの不良なのか
- 組み付けの不良なのか
まず、この切り分けをするためにそれぞれの調査をしなくてはなりません。
FFCメーカー、コネクタメーカーの主張がそれぞれ異なった場合、不具合の原因特定と責任の所在をあきらかにするのが困難です。とくに海外メーカーの場合、言葉と時間(時差)があり、問い合わせもハードルが高いです。
FFCとコネクタは何か問題があったときに責任を持って対応できる販売窓口から購入しましょう。
今回はこれくらいにしようと思います。