こんにちは、サンライズweb担当です。
コネクタとかFFCに少し詳しいです。
前回、ZIFコネクタとNON-ZIFコネクタの特徴の前置きの話をしました。
今回から0.5mmピッチのZIFコネクタと1mmピッチのNON-ZIFコネクタの違いを話します。
自分の設計するセットにはどっちがいいのか、考えるきっかけになるとよいですね。
記事で解説していきます。
ZIFコネクタとNON-ZIFコネクタの特徴①
説明の中で想定するのは下記コネクタです。メーカー名は出しませんが、webで簡単に検索できる、ごく一般的なFFC・FPCコネクタです。
- ZIFコネクタ:0.5mmピッチ、ZIF、SMT、ロックあり、金めっき
- NON-ZIFコネクタ:1mmピッチ、はんだDIP、ロックなし、はんだめっき
上記の2つのコネクタについて、7つの項目とめっきについて触れながら説明をします。
- その①FFCケーブルの挿抜力 ZIF と NON-ZIF
- その②コネクタのピッチ0.5mmピッチ1mmピッチ
- その③基板実装方法:SMT(表面実装) と はんだDIP
- その④ロックあり、とロックなし
- その⑤FFCケーブルの挿入方向 ライトアングル、ストレート
- その⑥FFCケーブルとFFCコネクタの接点(上接点、下接点、両接点)
- その⑦FFCケーブルの形状、耳なし、耳あり
- その⑧コネクタの作り方
ZIF と NON-ZIF 端子形状の違い
おさらいになりますが、ZIFとNON-ZIFの言葉の説明は下記の通りです。
- ZIF:Zero Insertion Force FFCの挿入力がゼロですよ。
- NON-ZIF:NON- Zero Insertion Force FFCの挿入力はゼロではありませんよ。
FFCケーブルをコネクタに挿さした際に、抵抗がなくすーっと入っていくのがZIF、ずぶずぶずぶっと抵抗感(抵抗感)を感じながら徐々に力を加えて挿入するのがNON-ZIFタイプになります。これは、コネクタの端子をFFCの電極(導体)に接触させる設計コンセプトが違うからです。ZIFコネクタでは、FFCケーブルをコネクタ定位置までさした時点では、コネクタ端子の接触部とFFCの導体は接触していません。ロック機構を操作し、ロックをかける段階でコネクタ端子が変位して、FFCの導体部に設計された接圧が生じるようになっています。
NON-ZIFコネクタでは、FFCケーブルをコネクタの挿入口にあてがい、端子の接触部に触れてからさらに定位置まで押し込むまでの間、ずっとコネクタ端子とFFCの導体部が接触しています。
そのため、ずぶずぶという抵抗を感じることになります。
端子のモデル図をCADでかいてみました、NON-ZIFの方は端子を広げながらFFCを押し込むイメージになります。
では、この違いがコネクタを選ぶ上でどのように影響するのか、設計者はどう考えていったらよいか、続けて解説していきます。
その①FFCケーブルの挿抜力 ZIF と NON-ZIF
使えるFFCのピン数が違います
コネクタメーカーから販売されている製品のラインナップを見てみると0.5mmピッチのZIFコネクタは小極から多極まで、幅広いピン数の製品がでています。4ピンから60ピンまでが標準的で、堅牢タイプのコネクタは80ピン程度までの製品があります。
これに対して、1mmピッチのNON-ZIFコネクタは、概ね30ピン程度の製品がラインナップされています。
ZIFコネクタはFFC挿入時に力が必要ないので、柔らかくて薄いFFCを挿入しても曲がったり折れたりすることがありません。このメリットは小極ではあまり感じませんが、30ピン以上の多極になるとメリットが大きく、多極でも十分な信頼性をもった製品を作ることができます。
これに対して、NON-ZIFコネクタはFFC挿入時に、抵抗があるので、ピン数が増えるとFFCケーブルが挿入しにくくなります。概ね10ピン程度まではスムーズに挿入できますが、20ピンだと大分堅く、FFCを曲げてしまわないか、どきどきします。
今回はこの辺にしたいと思います。それではまた